最新号に寄せて
パレスチナ・ガザで続くイスラエルの暴虐。11月下旬に一時停戦するも、12月1日にはイスラエル軍の攻撃が再開し、死傷者を増やし続けています。前号(12月号)では「中東戦争」と1993年のオスロ合意、およびイスラエルによる合意無視の経緯を振り返った上で、これが宗教紛争ではないことを指摘しました。そして1月号では、なぜか報じられない、ガザに眠る「利権」の存在を明かしました。これを狙うのはイスラエルだけでなく、大国や多国籍企業も、裏側で争奪戦に関与しています。
こうして“真相”に具体的に迫っていくことこそ、反戦を求めるにあたり重要だと考えています。一刻も早い停戦が求められるロシア・ウクライナ戦争においても、2022年10月にトルコで両国間の停戦に向けた非公開協議が行なわれていたものの、米国の横槍が入り進展を阻止されたこと、また同年9月のロシアの海底パイプライン「ノルドストリーム」爆破事件にウクライナ軍幹部が関与していた可能性など、裏側の事実が次々と明らかになっています。23年2月には、マイダン革命の仕掛人のひとり、ビクトリア・ヌーランド国務次官が「戦争目的はクリミア半島の奪回とロシアのレジーム・チェンジ」と発言。ロ・ウの戦争が米国主導であることを堂々と述べました。ほかにもさまざまな“真実”を、本誌今月号で詳述しています。
12月号で札幌五輪について解説した本間龍氏は、札幌五輪招致断念の背景に東京五輪の失敗を指摘。一方で本間氏は、ジャーナリスト・今井一氏とのユーチューブ「一月万冊」で、大阪・関西万博の開催費用爆上がりの背景に、東京五輪の成功体験があると喝破しています。正しい判断をした札幌五輪と、誤った道を驀進する万博。東京五輪は市民にとって失敗、政治家にとって成功だったということでしょう。万博とカジノが、維新の化けの皮と次々とはがしています。11月27日には、政府が350億円の「大屋根」を含めた2350億円の会場整備費とは別に「日本館」など837億円を国費負担することが明らかに。3度めの上振れで総額3187億円は、まるで金を使わないと損だと言わんばかりです。際限なく予算が増額されるのは、やはり東京五輪の成功体験からです。
11月18日にその死が発表された、池田大作・創価学会名誉会長。実際に死去したのは3日前の15日。創価学会第2代会長・戸田城聖氏のときには12万人の学会員を集めた通夜・告別式後に火葬したのに対し、今回は「家族葬」で、死から3日後の火葬。池田氏の死はかねてから“Xデー”といわれ、死亡説も流れてきただけに、大きな違和感を持たれています。その背景と、池田氏の“罪過”にも、今月号でレポートしています。
2022年の旧統一教会、2023年のジャニーズ・宝塚と、これまで見過ごされてきた重大な問題に焦点が当たることは良いことでも、報道がそれ一色になることへの危惧も、同時に感じています。その裏で、やはり議論がされない重要問題も多数あります。今月号のWHO(世界保健機構)が狙う「パンデミック条約」や日本版DBSの危険性がまさにそれで、本誌として今後も問題提起を続けていきたいと思います。今月号も、ご一読をお願いいたします。