月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

 

 
あけましておめでとうございます。
 
2020年に持ち越された「桜を見る会」疑獄について、「何が悪いかわからない」という声が一定数あるそうです。すでに弊誌執筆者でジャーナリストの浅野健一氏らによる「税金私物化を許さない市民の会」が公職選挙法・政治資金規正法違反で刑事告発を行なっていますが、その背景には、権力を持つ者による「私物化」を自明のものとする、新自由主義・市場原理主義の、人々の根底までの浸透があるように思います。本誌記事でも言及しているとおり、日本列島が原発だらけになった原因である中曽根康弘元首相が、その死に際して肯定的に評価されるのも、その時代の政治に少なくとも「公」があったことによるのでしょう。裏を返せば今の政治には「私」しかない、ということです。「桜を見る会」については、今月号では安倍晋三首相の地元・山口県からレポート。首相の選挙対策と特定企業優遇がどう行なわれていたかに加え、“首相の弟枠”の存在についても明らかにしました。
 
2020年に、日本の政治をどうするか。ひとつひとつの政策以前に、政治に「公」を取り戻すことから始めなければならないのかもしれません。「桜を見る会」しかり、「大学入試改革」の名の下で、民間にまるごと売られようとしている「教育」しかり。さらに、それらの陰でほとんど議論されないまま、今年から発効した「日米貿易協定」については、元レバノン特命全権大使で「新党憲法9条」代表の天木直人氏と、愛国団体「一水会」代表の木村三浩氏が、「経済版日米安保である」と喝破しています。また、平和憲法9条の真の意味と実際的役割についても、他誌では読めない解説が含まれています。
 
貧困、ギャンブル依存症、虐待、いじめなど、いまの子どもたちを包みこむ日本社会の闇をありのままに描いた映画「子どもたちをよろしく」が2月から公開されます。この映画を前川喜平・元文部科学省事務次官とともに企画した寺脇研・元文科審議官が、日本の教育が利権化した原因を今月号で分析しています。そこからは、安倍内閣がなぜ教育を狙うのか、その理由も見えてきます。
 
ほか今月号では、現政権にとどまらない「カルト」と日本政治の関係を具体的な事例とともにレポート。消費税増税を機にさらに議論が活発化している「経済政策」への今読むべき提言、独立機関「プロジェクト・センサード(Project Censored)」が発表した「検閲で埋もれた記事TOP25」、女優・沢尻エリカの薬物逮捕でマスコミが触れない大手事務所の闇など、多様なテーマに独自の切り口で挑みました。いずれも一読の価値アリです。本年も「紙の爆弾」をよろしくお願いいたします。
 
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大