月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

 


国民がサッカーW杯に夢中になっている間に、「働き方改革」法、TPP法が成立。IR(カジノ)法案や自民党のための公職選挙法改正案も、批判をよそに着々と進められています。一方で森友学園・加計学園に絡む一連の疑惑解明は遅々として進まず、大阪で地震が起きた翌日、サッカー日本代表戦の当日に、加計学園理事長・加計孝太郎氏が“緊急”会見。あまりにあからさまなやり口ですが、その狙い通りの状況になっており、危機感がつのるばかりです。
  
6月の新潟県知事選で、自民・公明の支持を得て初当選した花角英世氏は、選挙中は再稼働に慎重であるかの言葉を述べていたものの、当選直後には「条件つき再稼動容認」を口にしはじめました。野党共闘候補・池田千賀子氏の主張と揃えることで、原発問題を選挙の争点にしない、という「争点隠し」だったわけですが、それが功を奏しています。ほか公明党の動きなど、この選挙の裏側については本誌で詳細にレポートしていますが、昨今の安倍政権の手法は、いずれも蓋を開ければ単純なもので、あとは国民の目につかないところでやるか、ゴリ押しするかのどちらかです。
 
「勝つ方法はあきらめないこと」。沖縄・辺野古米軍基地建設に抗議するテント村の看板に書かれていた言葉です。現政権のゴリ押しに対抗する時にも、この言葉は重要になってきます。先述した「働き方改革」法についても、採決を受け入れた国民民主党にも批判が集まっています。あきらめたり、無関心でいることは、決して賢明な態度とはいえません。すぐに成果を見出せなくとも、私たちがいる現場で泥くさい抵抗を続けて行くことが、常に必要とされています。
 
一方で、「闘う個人」が着実に成果を挙げている例も少なくありません。今月号では、過去最高益を上げたトヨタで、自身に起きた労災事故をきっかけに目覚め、労働環境の改善に取り組む人や、三菱グループ企業でパワハラに抗い、「偽装請負」を告発した人について紹介しています。大小問わず権力は暴走するもので、社会の構造を彼らの都合のいいように変えようとしてくるのに対し、抵抗する個人の闘いから私たちは学ぶところは大きいです。同時にこれこそ、社会をより日本国憲法の基本理念に沿った形にするという意味で“護憲”なのではと考えはじめています。
 
憲法については、草の根で着々と行なわれている改憲策動にも焦点を当て、彼らが掲げる論理についても分析を行なっています。また、あまり報じられていませんが、「18歳成人」の民法改正にともない、少年法適用年齢も引き下げられようとしている中で、これを口実に国民監視を強化しようという動きについても検証しています。今月号も、ぜひご一読ください。
 
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大