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最新号に寄せて

 

2月24日、辺野古新基地建設の賛否を問う沖縄県民投票は、投票率52.48%で、埋め立てに反対が43万4273票(72.1%)、賛成が11万4933票(19%)、どちらでもないが5万2682票(8.7%)。この結果に納得のいかない人々が、「反対は43万人超、反対以外が計71万人」「反対は有権者の37%」などと言っているようですが、それを言うなら現在の自公政権が「4分の1」以下の得票しか得ていないことも同時に指摘しなければなりません。2017年衆院選比例代表で、全有権者に占める得票率は自民17.9%、公明6.7%で計24.6%。今回、埋め立て反対票が軽々とクリアした「全有権者の4分の1」(知事が結果を尊重し、首相とアメリカの大統領に通知する)に届いていません。
 
このように“一強多弱”、野党のだらしなさに支えられている自公政権は、統一地方選・参院選を控えて、本音は改憲どころではないようです。それでも言い続けなければならないのは“安倍信者”を慮ってのこと。このあたりの内情については今月号で詳細にレポートしましたが、そうなるとまるで、首相にとっての改憲が、トランプの「国境の壁」と同じに思えてきます。近年、「こだわり」という言葉の誤用がマスコミでも定着しましたが、アベ改憲、トランプの壁こそ本来の意味での「こだわり=捨てるべき執着」です。
 
そして、「自衛隊員の募集に都道府県の六割以上が協力を拒否している悲しい実態がある」との虚偽発言。これは「地方自治体から要請されれば自衛隊の諸君は直ちに駆けつけ、命を懸けて災害に立ち向かうにもかかわらず」「憲法に自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を」と続くのですが、要するに、災害時に役に立つから自治体は若者を喜んで差し出せ、憲法に自衛隊を明記していれば、後ろめたさを感じることなく若者の情報を提供できるだろう、ということでしょうか。まるで徴兵制のような考え方です。
 
一方で、この発言により自衛官確保の手順に注目が集まりました。報道によると、自衛官募集の際には自衛隊法などに基づき、18歳と22歳の住所、氏名、生年月日、性別について、紙か電子媒体での名簿提出を市町村に要請しているといいます。そして全国1741市区町村のうち4割で氏名や住所などの情報提供があり、残りの6割の自治体も、情報を抽出して閲覧したり、防衛省の職員が閲覧できる状態となっているところがほとんどで、まったく協力がないのは1割。つまり、自衛官募集に関して、約9割の自治体が防衛省職員に対し、個人情報、住民基本台帳の閲覧を認めているということです。ただし、自衛隊法に、個人情報の取得に関する規定があるわけではなく、そのこと自体が問題である可能性もあります。
 
紙の爆弾4月号では、これらの問題のほか、官邸による“特定記者排除”事件でマスコミが触れない「記者クラブ」そのものが内包する問題、そして滋賀医科大学附属病院による前立腺がん治療学講座・岡本圭生特任教授の追放騒動の続報など、今月も多岐にわたるテーマについて、レポートを行なっています。ぜひご一読ください。
 
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大