月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

  

自民党の絶対単独安定多数、野党共闘の敗北、日本維新の会の躍進、などと伝えられた総選挙。背景については低投票率をはじめ、本誌で指摘してきた自民党総裁選をめぐる偏向報道や、吉村洋文・橋下徹氏らの過剰露出に象徴されるマスコミの「選挙協力」、今月号で指摘した選挙制度そのものの欠陥など、さまざまな要因が挙げられますが、結果として今回の選挙では、政治・社会の変革は達成できませんでした。野党側にすれば、その必要性を有権者に提示できなかった、ということになります。その点では、立憲民主党代表選の方が政策を伝える場となったように思えますが、マスコミ報道は「4氏の主張に明確な違いはない」といった内容に終始しました。
 
一方、選挙戦で変革の必要性と方法をわかりやすく訴え、議席を増やしたれいわ新選組の山本太郎代表は、本誌2021年10月号のインタビューで、「票が集まれば集まるほど、れいわの存在を消そうと似た主張をする勢力が出てくるだろう」「しかし、それによって自分たちの政策がさらに進むことになる」と語っています。議席そのものよりも、政策の進展を重視する姿勢の裏に、自身の主張への絶対の自信が見えてきます。選挙後の現在こそ、その言葉の意味するところがより鮮明に見えてきます。ぜひご一読ください。
 
ヨーロッパを中心に、海外でコロナの検査陽性者数が増加、日本でも第六波の懸念が高まっているといいます。しかし、結局のところ重要なのは死者を出さないことで、治療が可能な体制を作ることというのが、この間の教訓です。しかし、大阪に医療崩壊をもたらした維新が人気を得るのはなぜなのか。その謎は今月号記事が解き明かしています。選挙にしてもコロナにしても、わかったことを積み重ねていくしかありません。その点、重症化しない子どもにワクチンを打たせようとするのはなぜなのか。必要がないことは明らかです。
 
俳優・三浦春馬氏の突然の死から1年半が経とうとするなか、その真相解明を求める人々が各地でデモ等のアピールを続けています。メディアにとり上げられないそれらの声を“陰謀論”と片付けることは簡単ですが、その背景に、芸能事務所や警察の「説明不足」があるのは事実です。また、真相究明の運動に、ただの観客・視聴者・消費者にとどまらない、タレントを応援するファンとしての主体性を見出すこともできるでしょう。今月号では三浦氏の死について、あらためて検証を行ないました。大きな反響をいただいた本誌2021年8月号、2020年10月号記事とあわせてお読みいただけますと幸いです。
 
さらに、「スポーツ中継」を切り口に、日本の大手メディアが置かれた状況を分析しました。サッカーではワールドカップカタール大会に向けたアジア最終予選の日本代表のアウェー戦中継がDAZNのみ、“地上波なし”の憂き目に。その理由を12月号で詳述していますが、ボクシングでも、プロボクシングの二大スター、村田諒太と井上尚弥のタイトルマッチが、地上波テレビ中継から消えています。その背景に、テレビ局と、大手広告代理店・電通の“敗北”がありました。ほか、今月号も多角的かつ盛りだくさんの内容をお届けいたします。全国書店にて発売中。ぜひ、お手に取っていただければ幸いです。
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大