月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

  

本誌4月号「改正新型コロナ特措法は憲法31条に違反している」で、足立昌勝・関東学院大学名誉教授は「罰則をもって私権に制限を加えようとする議論は、本来、冷静な判断が期待できる状況下で、すなわち平時に行なわれるべきことである。緊急事態宣言下でやってはならない」と主張しました。そして実際、2月13日施行の改正特措法が、事業者から休業要請に「従わない」という選択肢を大きく奪っています。経済面だけでなく、とりうる感染対策を含め、各事業者の個別の状況をふまえた合理的判断の余地がなくなることは、日本のコロナ対策全体にとってもマイナスなのではないかと思えてなりません
 
ここにきて、ここにきて、やっと少しずつ話題にのぼるようになった「東京五輪中止」。菅義偉首相は五輪開催を衆院選への追い風としたいようですが、世論調査で反対8割超という状況のなかでも考えを改めないのは、「どうせ開催すれば、すべてを忘れるだろう」と、国民をナメているということにほかなりません。一方、「東京五輪中止」を“カード”とし、「苦渋の中止決断」を演出して東京都議選やコロナ対策“やってるふり”に利用しようとしているのが、小池百合子東京都知事。2017年、希望の党結成時に小池氏から「排除発言」を引き出し、それ以降、定例会見で“記者排除”を受け続けているジャーナリストの横田一氏が、小池氏の本性を本誌で徹底解明しています。
 
「東京五輪がなければ、もう少し冷静な判断が行なわれていたのでは」。菅政権のコロナ対策について、多くの人から聞かれる声です。五輪ゴリ押しが政策にも矛盾をもたらし、結果として人々を苦境に追いやっています。五輪開催反対8割超は、この現状への批判も含んでいるのでしょう。そんな日本のコロナ政策に疑問を呈したのが、東京都から狙い撃ちにされた飲食チェーン「グローバルダイニング」の訴訟です。ここからも、菅政権や小池都政の本質が見えてきます。
 
コロナ政策と同様に危険なのが、菅政権の外交政策です。第四波まっただなかの4月に強行された菅首相の訪米と日米共同声明は、不自然なまでに世間で議論されることなく、すでに過去の出来事となったかのようです。しかし、この訪米が、戦後の日本外交が積み上げてきたものを台無しにし、日本を絶望に陥れる転換点になると指摘するのが元駐レバノン日本国特命全権大使の天木直人氏と、一水会代表・木村三浩氏。バイデン政権の実態を見ようとせず、世界的な反中煽動に乗せられたマスコミでは読めない“正論”を、ぜひご一読いただきたいと思います。
 
そして、森友学園事件。補助金詐取をめぐり籠池泰典・前理事長夫妻が逮捕・長期拘留された刑事裁判の控訴審が、本誌発売の6月7日から始まります。大阪地裁では籠池夫妻に有罪判決が下されていますが、その根拠となったのが、補助金の請求手続きを実際に行なった事業者が提供した録音データでした。しかし今回、このデータに検察による“改ざん”があったことが判明。事件は「フロッピーディスク改ざん」が発覚した村木厚子・元厚生労働省事務次官の冤罪事件を彷彿とさせる展開となっています。
 
ここで挙げたほかにも、今月号も盛りだくさんの内容です。ぜひ書店にてお求めください。
  

「紙の爆弾」編集長 中川志大