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最新号に寄せて

 

2019年に入りました。5月には改元も行なわれます。年号(元号)については、本誌1月号「ニッポン独裁暴政の“象徴”『押しつけ元号』を葬り去るために」で、権力者がその「治世の時間」に名前を付け、支配を示す仕掛けであり、国民主権の現代日本においては主権者である国民こそが、その名付けに関与すべきである、と論じました。それにより国民が、今が“自分の時代”であるとの実感につながるのではと考えています。
 
2月号では「〈ポスト平成〉に何を変えるか」と題して特集を組みました。昭和から平成に変わった際に起きたのは、「平成」をどう創るかというよりも、「昭和」への懐古であり、それは現在も続いています。そのときには、マスコミを中心として、語り継がれるものと忘却されるものの選別が行なわれます。〈ポスト平成〉でも同様のことが行なわれるのでしょうが、「平成」がどう語られるか、今はまだわかりません。忘却にあらがい、これから是正すべき数多ある問題点から5つをピックアップしレポートしました。
 
昨年12月14日に始まった沖縄・辺野古基地建設予定地への土砂投入は、(米国政府ではなく)日本政府による基地建設の既成事実化を狙うものであり、もう後戻りできない、抵抗しても意味がないと人々に思いこませようという策略が働いています。しかし実際は、工事はまだ部分的なものにすぎず、基地建設には軟弱地盤問題をはじめとしたいくつもの課題があり、すでに破壊された自然の原状回復は困難だとしても、今からでも止められる状況にあります。そして実際に、人々の力強い抵抗運動が続いています。
 
また昨年は「明治150年」でもありました。安倍政権が期待していたほどの盛り上がりはなかったものの、「明治維新は封建制を打倒し近代日本を誕生させた偉大な変革である」との“都市伝説”はまだまだ健在であり、その結果として実権を握った「長州レジーム」こそ、これから脱却しなければならないものです。その代表的な特徴は、古くは英国、戦後は米国という強きにおもねり、国民を抑圧してきたことにあります。そして、平成の終わりにクローズアップされた優生保護法下での強制不妊手術の問題。もちろん被害者への補償は最優先課題ですが、一方で、これまでこの問題がこれまで隠蔽されてきたという事実、そして犯罪の実行と隠蔽を行ない、優生思想を世に浸透させた“主犯”である日本の精神医学界への追及はほとんど見当たりません。本誌ではこの国家犯罪そのものの実態を明らかにしています。
 
ほか今月号では、2017年衆院選のさなかの安倍昭恵氏SPによるジャーナリスト暴行事件、パソナグループ・竹中平蔵会長が関与した改正入管法の真の狙い、名古屋市の市立小学校「名進研」の“反社会的勢力”疑惑、有名モンゴル出身力士が絡む国際投資詐欺疑惑など、多岐にわたるレポートを掲載しています。ご一読ください。
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大