月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

  

 
安倍晋三元首相の銃撃死事件によって、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に注目が集まっています。それにともない、大手メディアについても、報道に積極的なところとそうでないところのチェックがネットなどで行なわれているようです。この期に及んで現政権を擁護する一部テレビ局などは問題外としても、その被害をマスコミが報じてこなかったからこそ旧統一教会が、名称変更を含めた問題のある活動を継続してきたことは、指摘しておかなければなりません。また、7月12日の田中富広会長の会見までほとんどの大手メディアが「特定の宗教団体」として報じていたことが、参院選で自公政権の勝利をもたらしたことも、忘れてはならないことでしょう。
 
本誌9月号ではジャーナリストの鈴木エイト氏が旧統一教会問題を解説。一過性のスキャンダルとしないために、私たちが持つべき視点を提示しています。それは、連日の報道を見るうえで、本質を見失わないために必要なものといえます。さらに自民党に多大な影響力を持つ神社本庁や、政権の一角・公明党の支持母体である創価学会についても実態をレポートしました。また旧統一教会・幸福の科学・霊友会などが跋扈する「安倍カルト内閣」を解明した本誌2019年11月号も、ここにきて多数のお問い合わせをいただいています。
 
安倍元首相の銃撃事件から私たちが考えるべきことは、旧統一教会の被害問題、政界との関わりだけではありません。アベ政治の“負の遺産”をうやむやにせず、検証を続けることもそのひとつ。さらに、銃撃事件そのものについても検証が必要です。安倍氏の死をもたらした銃弾が発見されていないことが、すでに報道されています。これで“犯人”とされる山上徹也容疑者を裁けるのかは大いに疑問ですし、“別の可能性”を排除することも困難になります。あえていえば、この“別の可能性”は、事件の裏に“別の目的”の存在を示唆します。現状は陰謀論として扱われていますが、予断を持たないことは重要です。
 
再び旧統一教会に話題を戻せば、その関わりで着目すべきは政界だけではありません。“右派”の代表的人物である櫻井よしこ氏も、旧統一教会の集会で講演。櫻井氏は昨年には、韓国情報機関との関係も取りざたされました(本誌2021年10月号で解説)。改憲勢力とは何か、その本質がここに表れていることは間違いありません。その櫻井氏は、安倍元首相の国葬について、「安倍氏に報いるために、厳粛なる国葬で安倍氏の御霊に感謝し、日本を二度とパシフィズム国家の道に逆戻りさせてはならない」とブログで述べています。「パシフィズム国家」とは「反戦国家」の意。戦争ができる「普通の国」を目指すため、安倍氏を国葬すべきと説いています。
 
「電力需給のひっ迫」を理由に原発再稼働。脱炭素だから原発再稼働。ウクライナ戦争によって東西分断が鮮明となるなかで、西側の論理に基づき人命や環境がますます軽視される流れが続いています。多岐にわたる課題をなるべく漏らさず本誌で拾っていきたいと思います。全国書店にて発売中ですので、ご一読をよろしくお願いいたします。
 
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大