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最新号に寄せて

 

 
ついに安倍退陣。改憲・拉致・北方領土問題等をもって「志半ば」とマスコミはいいますが、第一次政権の教育基本法改悪から始まり、特定秘密保護法、戦争法、共謀罪、TPP。そして何より「アンダーコントロール」の大嘘は重罪です。それらアベ政治への総括が必要なのはもちろんですが、同時に安倍政権を歴代最長にしたメディアの責任を問わなければなりません。そのうえで私たちは「アベ政治から日本を取り戻す」ための行動を、これから起こしていく必要があります。もりかけ桜をはじめとした“犯罪”への追及も、むしろこれから。森友事件で自死に追い込まれた財務省職員の赤木俊夫さんの妻・雅子さんは、首相の辞意表明を受けて、「次に総理大臣になる方は、夫がなぜ自死に追い込まれたのかについて、公正中立な調査を実施していただきたいと思います」とコメントしました。真相解明に至らなければ、安倍政権で表明化した日本の政治の私物化・劣化がさらに進むことになるでしょう。
 
退陣の直接のきっかけとなった体調問題については、首相が抱える「ストレス」が大きく影響していたといわれています。ではその原因とは何かといえば、大手メディアは“激務”によると口を揃え、「長時間の国会対応」を指摘する声まで聞かれます。しかし、言うまでもなくそれは、追及逃れで自ら長引かせた結果。それよりも、国民からの批判や支持率の低下が「ストレス」として、首相の判断に大きく影響したことは間違いありません。
 
昨今、「アフターコロナ」という言葉があちこちで聞こえるようになりました。すでに変わってしまった市民生活や経済を、どう新たに作りなおすかが問われています。今回、そこに「アフターアベ」という要素が加わりました。その両者はリンクしているように見えます。経済では消費税。新型コロナウイルスの影響で、今年4〜6月期のGDPマイナス27.8%(年率)は衝撃的ではあったものの、予期されていたものでもありました。西村康稔経済再生担当相は「緊急事態宣言で人為的に経済を止めた影響」と述べていますが、それを言うなら昨年10月に消費増税で「人為的に経済を止めた」ために、マイナス6.3%(昨年10〜12月)をもたらしています。すでに多くの人が主張しているように、「消費税ゼロ(凍結)」こそいま必要な経済対策です。なお、全原発廃炉という最重要のテーマがありますが、これは自民党が政権に就いている限り、望むべくもありません。
 
 そんななか、相変わらず話題の吉村洋文大阪府知事。もともと吉村知事は、マイクをマスクに押し付けるようにして話すことがあり、マスクをつける意味を理解していないのではないかとの疑問を持っていたのですが、イソジン会見も、彼のウイルスに関する基本的な知識の不在をうかがわせるものでした。そこに加えて今月号記事では彼の旧来型土建政治体質を指摘しています。
 
また、今月号で掲載した北海道大学名和豊春総長解任事件に関するレポートも、ぜひ多くの方にお読みいただきたい内容です。2004年に始まった国立大学法人化による、文科省の「大学解体」策動が顕在化したひとつといえそうです。
  

 
「紙の爆弾」編集長 中川志大