月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

  

新年おめでとうございます。
 
「紙の爆弾」1月号で詳細にレポートしましたとおり、昨年の総選挙に絡んだ公明党の思惑で始まった「10万円給付」は、春のクーポンという形で自民党の参院選対策に、さらに「現金一括給付」で維新のアピールに、見事活用されています。「コロナ下の困窮家庭支援なのか、子育て支援なのか、経済対策なのか」と受け取る国民の側からは政策目的が不明でも、配る側には明確な目的があります。
 
2021年末、自公政権は森友事件で被害者の赤木雅子さん側の請求を「認諾」し、1億円超もの賠償金を支払う“禁じ手”で、裁判を無理やり終わらせました。「安倍晋三記念小学院」に国有地を不当な値引きで「売却」し、その記録を改ざんしたうえに、その真相を税金で覆い隠したわけです。また「桜を見る会」事件では、東京地検特捜部が公職選挙法違反と政治資金規正法違反を問われ、検察審査会が「不起訴不当」と議決した安倍晋三元首相を再び「不起訴」に。さらに沖縄・辺野古の米軍新基地建設をめぐっては、「軟弱地盤」を含む埋め立て海域における、沖縄県のサンゴ移植許可撤回を農林水産省が取り消し採決。理不尽・不条理の横行が改めて浮き彫りとなりました。
 
そんなところに、国土交通省による統計データ改ざんが新たに発覚。改ざんは第二次安倍政権スタート直後の2013年から行なわれており、「アベノミクスの効果をかさ上げするため」とみられています。これに対し、12月27日、国交省の担当者が歴代首相の指示を受けて改ざんを行った統計法違反に当たるとして、市民団体が東京地検特捜部に告発状を提出しました。瞬発力をもって新たな闘いがはじまっています。河井夫妻の事件に代表される自民党の「裏金」体質にも、本誌レポートのとおり泉田裕彦議員の告発を契機に大きくメスが入ろうとしています。政権の不正に対しては、記憶し、追及を続けることで、事態を幕引きさせないことの重要性を、あらためて感じます。
 
岸田政権が、安倍・菅政権の負の遺産をあえて“未解決”として闇に葬ろうとするなか、あえて“未解決”とすることで政治利用を続けるのが北朝鮮拉致問題。本誌では二人の論客がその本質を解き明かし、東アジアのあるべき未来を提示しています。ほか今月号では、「Dappi」で大きく注目された自民党の「ネット世論工作」を歴史的な観点から分析、小泉政権時代と安倍政権時代のネット利用の違いも指摘しました。さらに、アメリカで黙殺されたニュースを、ジャーナリズムを専攻する学生たちが拾い上げて紹介した取り組みである「プロジェクト・センサード」を今年も紹介。ランキングされた25のニュースは、いずれも私たちが知るべき内容です。その他、北海道新幹線延伸工事で出た重金属等を含む「有害土」問題など、内容盛りだくさんで「紙の爆弾」をお届けします。 発行継続にはさまざまな困難がつきまといますが、今年も独自の言論をお届けしてまいります。ご一読をよろしくお願いいたします。

 

「紙の爆弾」編集長 中川志大