月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

 

新しい年号「令和」が発表されました。これまでの本誌記事でも触れてきましたが、年号は時の支配者が、時代に名付けをおこなったもの。国民主権の現代日本であれば、国民が決めるのが本来の形といえます。そう考えると、決定前に安倍首相の「安」や「晋」の字が使われることを少なくない人が予想したのは、国民である自分自身の中に主権の不在を感じているといえるのかもしれません。
 
今月号では、10の“重大事態”を採り上げましたが、この主権の問題が、いずれのテーマにも関わってくるように思います。もっともわかりやすいのが、現政権の対米追従。高額かつ大量の武器購入を首相が率先して続け、行き詰りが見えているにもかかわらず沖縄・辺野古の海を埋め立てて米軍基地建設に邁進。さらに、カジノ導入はトランプ大統領の最大の献金者の言うままに進められています。そこにつぎ込まれる税金は、富裕層・大企業有利が指摘されながら一向に改善が見込まれず、消費増税が既成事実となってしまっているような不公平税制のもとにあります。これこそ改革が必要なのですが、首相が変えたがっているのは憲法であり、多数の国民がその必要性を否定し続けているにもかかわらず、“自民党の党是”として固執を続けています。そんな政権を支えるのが、各種宗教勢力の組織票であり、選挙がコントロールされています。国民は体制や大企業に個人情報を握られ、監視社会がいっそう深化を続けています。その一方、人の生活の基本である労働は、量的な“労働力”としてしか扱われず、命がないがしろにされています。
 
そして、肝心のマスコミが損得勘定の下、政権への“忖度”を超えるまでに偏向を極めている現状もあります。とくに今月号で採り上げた、森友学園事件におけるNHKの政権擁護は決して見過ごせない“事件”といえるでしょう。「8億円値引き」の唯一の根拠とされた埋設ごみの現場写真が偽装されていた問題で、NHKは真相を追及する側を批判し、首相のシンパがインターネットでそれを拡散、事態を再びうやむやにしようとしています。マスコミの忖度は今に始まったことではありませんが、それが極めて露骨になっているということです。

そうした事態に光を差し込むべく、一歩先を目指す提案も、今回の特集に盛り込みました。また、今回採り上げなかった最重要問題のひとつ、原発については、ワンイシューマガジン、小誌増刊『NO NUKES voice』をお読みください。
 
特集以外にも、継続して採り上げている滋賀県立医大病院の前立腺がん“治療妨害”事件をはじめ、レポートを行なっています。ぜひご一読ください。なお、いくつか事情が重なり、今月号を合併号とさせていただきました。次号の発売は6月7日です。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
 
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大