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最新号に寄せて

  

「新型コロナ危機と安倍失政」の特集も第4回となりました。都知事選の告示後、東京の新規感染者数の“調整”もあるのではと懸念していましたが、50〜60人台の数字が発表されています。意味不明の「東京アラート」(6月2日発動、11日解除)は、今から考えれば、選挙期間の感染拡大予防の目的があったのかもしれません。そうだとすれば、目論見が外れたかたちとなりますが。今月号では、「政府が電通に委託する目的」「コロナ対応『日本モデル』の真相」といった5つの観点から、コロナ禍のなかで明らかになった事実をレポートしています。
 
一方、政府では「専門家会議」が突如廃止となりました。廃止はメンバーすら知らされないところで決まったといいます。本誌連続特集では、そのメンバーや内容への批判とともに、(今回の新型コロナ問題に限らず)「専門家会議」そのものが、政府の決定をそれらしく見せるための“御用会議”であることを指摘してきました(特に7月号をご参照ください)。また「専門家会議」については、発言者等を含めた議事録が作成されていないことも明らかになっています。これについて西村康稔経済再生担当相は「専門家が自由に率直に議論するために、あえて発言者は明かしていない」と説明しました。科学者による議論で、発言者を明かすと自由な意見が出せない、ということ自体、まったく意味がわかりませんが、元経産官僚の古賀茂明氏は「後ろめたい議論を安心して行なう」ためであると指摘しています。発言者が特定されると、政府寄りの意見があからさまになります。政府の意向に沿った議論を展開するために、発言者を明かさなかった、というわけです。今回の廃止のされ方にも、「専門家会議」の目的が表れているようです。
 
「イージス・アショア」が白紙撤回となりました。日本の負担の総額は1兆円以上ともいわれる「防衛装備品」の配備撤回は、崩壊を迎える安倍政権の負の遺産の清算といえます。しかし、アメリカとの間の有償軍事援助(FMS)のもと、「キャンセル料」はどうなるのか、といった懸念はまだ残されています。日米地位協定60年、アメリカとの関係そのものの見直しが求められているのは言うまでもありません。
 
安倍政権の守護神といわれた黒川弘務氏の後任であり、次期検事総長とされる林真琴東京高検検事長のもとで、河合夫妻逮捕と菅原一秀前経産相不起訴。カネは駄目だがカニはOK、現金はアウトで香典はセーフという検察の判断に疑問の声はやみません。検察庁法改定案の廃案は、確かに安倍政権による検察組織のさらなる番犬化を阻止したといえますが、「そもそも検察とは何か」を同時に問わなければなりません。森友事件では検察審査会が「不起訴不当」とした佐川宣寿元国税庁長官らを不起訴としたほか、補助金詐取の“実行犯”といえる事業者と“司法取引”して、彼らも免罪しました。市民団体がこの事業者らを刑事告発し、事件を終わらせないための努力を続けています。こちらも詳細は本誌レポートをお読みください。
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大