月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

  

衆議院解散・総選挙に関する報道が増えてきました。菅義偉首相は「最優先は新型コロナ対策」と繰り返すものの、何が「対策」なのかも見えない現状にあっては、この言葉に意味を見出すことはできません。そんな菅首相はお膝元の横浜市長選で、全面支援した小此木八郎・前国家公安委員長が大惨敗。現役トップの地元の首長選挙での政権側の敗北は、おそらく前代未聞です。広島再選挙などの補欠選挙3連敗、6月の静岡県知事選を含めて重要選挙で「5連敗」。まさに窮地の菅政権の内情と、安倍晋三前首相の動きなどについて、今月号でレポートしています。なお、加計学園事件にもその名をとりざたされた下村博文政調会長が出馬表明、本誌校了後に辞退しましたが、同レポートではそのドタバタの背景も垣間見ることができます。
 
メディアによる衆院選の自民党獲得議席予測も、時を追うごとに下方修正されています。問題は、さらに減った議席をどこが獲るのか、です。立憲民主党と日本維新の会の大幅な伸びが予測されており、それによる「自公維」の可能性もささやかれているようです。これも、詳細は今月号を参照いただければと思いますが、まさに野合、これぞ悪夢です。
 
9月号で、東京オリンピックで「学校連携観戦」させる“学徒動員”に反対した保護者たちについてレポートしました。パラリンピックでは、少なくない自治体が取りやめたものの、観戦プログラムは続けられました。観戦そのものは必ずしも危険だと思いませんが、オリンピック時よりもさらに陽性者が拡大しているなかで、なぜパラリンピックはOKなのか、なぜ一般客はNGで学生ならばOKなのか等の疑問にまともな答えは見当たりません。それは、いまだにコロナ政策の方針の根本が定まっていないためです。それがあれば、一年半の知見を積み重ねることで、場合によっては観客を入れた五輪開催も可能、逆に、早々に中止の決断を下すことも可能だったはずです。少なくとも、開催派と中止派の両方から総スカンを食らうことはなかったでしょう。
 
とはいえ、政権交代の可能性もささやかれ始めたいま、問われるべきはコロナ政策だけではありません。歴代首相と比較しても、菅首相の官邸記者会見が“異常”であることは9月号でも指摘したとおりですが、その共犯ともいえるのが、日本にしかない「キシャクラブ」。コロナ禍にあって、マスコミ各社がその独自性をさらに失いつつあるなか、その存廃を考える時が来ています。また今月号では、コロナ収束への“対案”とともに、その先の未来を提示するれいわ新選組・山本太郎代表に話を聞きました。コロナ禍でうやむやにされた、今の社会のそもそもの異常性を直視する内容です。
 
8月には、「韓国情報機関と日本の保守団体の『不正取引』」を韓国MBCテレビがスクープして物議をかもしていますが、本誌はその報道をより掘り下げて分析。ほか、新たなかたちで社会に根深く定着した“表現規制”の問題など、今月号も他のメディアでは読めない内容をお届けしています。ご一読をお願いいたします。
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大