月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

 

政府は1月28日、名護市辺野古の米軍基地建設で、新たに東側区域で護岸の造成に着手。埋め立てをさらに急いでいます。辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票は2月24日と間もなくですが、反対運動に対するツイッターなどでの妨害に加え、海上で抗議する市民の名前や顔写真を掲載したリストを、沖縄防衛局の依頼を受けて、海上警備を行なう警備会社が作成していたことも判明しました。一方で安倍晋三首相は1月6日、出演したNHK「日曜討論」で、「サンゴを移しております。絶滅危惧種は砂をさらって別の浜に移していくという、環境の負担をなるべく抑える努力をしながら(工事を)行っている」と発言。しかし実際は、土砂投入地域内でサンゴ移植は行なわれておらず、“フェイク発言”を垂れ流したうえに“嘘”もスルーしたNHKとともに、批判が集まっています。また、基地建設に立ちふさがる埋め立て地域内の“軟弱地盤”問題について、首相は設計変更を表明しましたが、もちろん沖縄県・玉城デニー知事は承認しない構えです。これを報じた1月23日付の読売新聞は、昨年夏には明らかになっていた(にもかかわらず、政府が見ないふりをしてきた)“軟弱地盤”問題を、「新たな火種」と表現、まるで最近になって急浮上したかに報じました。政府とメディアの協働による環境破壊は、安倍政権を「デッドロック(行き詰まり状態)」に追いこみつつあります。この辺野古基地建設に横たわる、多岐にわたる問題の詳細と展望について、本誌で深堀りしています。
 
本誌1月号の記事で、大きな反響があったのが滋賀医科大学付属病院による「前立腺がん『小線源講座』廃止工作」。同講座の特任教授である岡本圭生医師に対し、病院は6月末での治療停止と今年末には実質上の“追放”を宣言しており、前立腺がんの患者たちが猛反発しています。彼らにとって、岡本医師の存在は“命綱”。1月12日には、彼の治療によって前立腺がんから快癒した患者が中心となって「岡本医師の治療継続」「待機患者の治療の機会を奪うな!」と訴える集会・デモが行なわれました。また、これを巡って同病院では「QOL(Quality of life=生活の質)調査」の“改ざん”や、カルテ“不正閲覧”問題も浮上し、問題の根深さを示しています。事件の全貌と、病院に対抗する患者たちの熱気をお伝えします。
 
ほか3月号では、東京・渋谷区の再開発に絡んでのディスカウントストア大手「ドン・キホーテ」の動きや、「NGT48山口真帆暴行事件」においては“AKB商法”の観点から、さらに、改正に向け注目が集まる動物愛護法の、他メディアでは採り上げられないある重要な一面についてレポートしました。また、安倍首相につながる薩長閥の「天皇利用」についても論考を掲載しました。たとえば昭和天皇の婚姻に際し、長州閥の元老・山縣有朋を中心とした薩長“革命政府”内部の内ゲバが、皇族を巻き込んでの醜態につながった“事件”など、「明治150年間」の真実について解説しています。本誌を手に取ったことのない方も、ご一読いただけましたら幸いです。

 

「紙の爆弾」編集長 中川志大