月刊誌『紙の爆弾』は毎月7日発売です。

最新号に寄せて

 

入管法・水道法・国民投票法と、第197回臨時国会で与党が改定を狙う法案は、いずれも私たちの生命・生活に直接関わるものばかり、かつ、そもそも改定の必要があるのか疑わしいものばかりです。一方で財務省口利き疑惑の片山さつき地方創生相、まともな答弁もできない桜田義孝五輪担当相など、“お粗末内閣”が話題を独占しています。その様は煙幕のようで、結局のところは強行採決、悪いのはそんな政治を許す有権者だ——これを民主主義と呼んでいるのが日本の現状です。
 
現内閣の不祥事は、片山・桜田両大臣に限った事ではありません。宮腰光寛沖縄・北方担当大臣には、談合などで行政処分を受けた複数の企業からの献金。渡辺博道復興大臣も自らが代表を務める自民党支部への企業献金を巡り問題が指摘され、総資産3億2000万円の平井卓也科学技術担当大臣も、暴力団系企業からの献金、柴山昌彦文部科学大臣も公職選挙法違反疑惑が上がりました。これらはいずれも解明されないままです。
 
そして、自民党では都市再生機構への口利き疑惑・甘利明選挙対策委員長、陸上自衛隊PKO日報問題・稲田朋美筆頭副幹事長の政治的復権。直近の選挙で勝てば禊が済まされた、とする現政権に通底する思想がここにあります。といっても、10月に行なわれた身内の自民党総裁選ですら投票率61.74%、うち安倍首相が獲得した党員票は55%。それでも、民主主義とは多数決主義だという暴論がまかり通っています。“お粗末内閣”は、その結果として誕生したものであり、政治がまっとうに機能していないという証明というべきでしょう。さらに本誌では、特に甘利氏の疑惑に対する検察官の“恣意的判断”について分析を行なっています。政治的な疑惑に対する検察官の起訴・不起訴判断の限界について、です。
 
それでも、私たちにできるのは事実を積み重ねることに尽きます。森友学園事件では、国交省・財務省による新たな証拠偽装が発覚しました。その手口は本誌で写真とともに解説していますが、あまりにずさん、まさに一目瞭然なものです。片山大臣の口利き疑惑は、それを報じた週刊文春との裁判に発展しました。こちらはともに、ロス銃撃事件で三浦和義氏の無罪判決を勝ち取った弁護団の中心である文春顧問の喜田村洋一弁護士と、片山大臣の弁護を担当する弘中惇一郎弁護士という大物弁護士の初対決としても注目が集まっています。とくに弘中弁護士は、「報道被害者」と「刑事被疑者・被告人」は誰でも守るという原則で仕事をしてきたといい、「郵便不正事件」では厚生労働省の村木厚子氏、陸山会事件で「強制起訴」された元民主党代表の小沢一郎氏、さらに薬害エイズ事件では安部英氏の弁護人を務めています。そんな彼が、片山大臣をどういうスタンスで弁護するのかは、興味深いところです。
 
ほか、次号では神社本庁・田中恆清総長の辞任騒動と改憲勢力の軋み、滋賀医科大学による、前立腺がん患者の“命綱”である「小線源治療学講座」廃止工作など、マスコミでは読めないレポートを掲載しています。ぜひご一読ください。
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大

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入管法・水道法・国民投票法と、第197回臨時国会で与党が改定を狙う法案は、いずれも私たちの生命・生活に直接関わるものばかり、かつ、そもそも改定の必要があるのか疑わしいものばかりです。一方で財務省口利き疑惑の片山さつき地方創生相、まともな答弁もできない桜田義孝五輪担当相など、“お粗末内閣”が話題を独占しています。その様は煙幕のようで、結局のところは強行採決、悪いのはそんな政治を許す有権者だ——これを民主主義と呼んでいるのが日本の現状です。
 
現内閣の不祥事は、片山・桜田両大臣に限った事ではありません。宮腰光寛沖縄・北方担当大臣には、談合などで行政処分を受けた複数の企業からの献金。渡辺博道復興大臣も自らが代表を務める自民党支部への企業献金を巡り問題が指摘され、総資産3億2000万円の平井卓也科学技術担当大臣も、暴力団系企業からの献金、柴山昌彦文部科学大臣も公職選挙法違反疑惑が上がりました。これらはいずれも解明されないままです。
 
そして、自民党では都市再生機構への口利き疑惑・甘利明選挙対策委員長、陸上自衛隊PKO日報問題・稲田朋美筆頭副幹事長の政治的復権。直近の選挙で勝てば禊が済まされた、とする現政権に通底する思想がここにあります。といっても、10月に行なわれた身内の自民党総裁選ですら投票率61.74%、うち安倍首相が獲得した党員票は55%。それでも、民主主義とは多数決主義だという暴論がまかり通っています。“お粗末内閣”は、その結果として誕生したものであり、政治がまっとうに機能していないという証明というべきでしょう。さらに本誌では、特に甘利氏の疑惑に対する検察官の“恣意的判断”について分析を行なっています。政治的な疑惑に対する検察官の起訴・不起訴判断の限界について、です。
 
それでも、私たちにできるのは事実を積み重ねることに尽きます。森友学園事件では、国交省・財務省による新たな証拠偽装が発覚しました。その手口は本誌で写真とともに解説していますが、あまりにずさん、まさに一目瞭然なものです。片山大臣の口利き疑惑は、それを報じた週刊文春との裁判に発展しました。こちらはともに、ロス銃撃事件で三浦和義氏の無罪判決を勝ち取った弁護団の中心である文春顧問の喜田村洋一弁護士と、片山大臣の弁護を担当する弘中惇一郎弁護士という大物弁護士の初対決としても注目が集まっています。とくに弘中弁護士は、「報道被害者」と「刑事被疑者・被告人」は誰でも守るという原則で仕事をしてきたといい、「郵便不正事件」では厚生労働省の村木厚子氏、陸山会事件で「強制起訴」された元民主党代表の小沢一郎氏、さらに薬害エイズ事件では安部英氏の弁護人を務めています。そんな彼が、片山大臣をどういうスタンスで弁護するのかは、興味深いところです。
 
ほか、次号では神社本庁・田中恆清総長の辞任騒動と改憲勢力の軋み、滋賀医科大学による、前立腺がん患者の“命綱”である「小線源治療学講座」廃止工作など、マスコミでは読めないレポートを掲載しています。ぜひご一読ください。
 
 

「紙の爆弾」編集長 中川志大